ALMA

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LAに住む人なら、すでにダウンタウンにある人気レストラン、Almaで食事を楽しんだことがあるか、あるいは、LAタイムズのレストラン批評家、ジョナサン・ゴールドの絶賛記事を読んで、いつか行きたいと夢みているかのどちらかではないだろうか。共同経営者のAshleigh ParsonsとAri Taymorは、フランスとサンフランシスコでの経験を活かし、LAに最高のレストランを登場させたわけが、彼らの手腕は、受賞レストランの経営にとどまらない。二人が音頭をとるAlmaコミュニティ社会貢献活動について、責任者を務めるAshleigh Parsonsに話を聞いた。

Ariとベイエリアにいる時から、社会貢献活動には興味があったのですか? それともLAに移ってからですか? 活動のきっかけを教えてください。

サンフランシスコでの経験が大きなきっかけとなったことは間違いありません2008年に大学卒業後、テンダーロインにある無料のアフタースクールプログラムの活動コーディネーターとして働き始めたのですが、そこでの仕事の一つに、土曜日のアクティビティ計画を立案するというものがありました。カボチャの収穫や美術館や公園を訪れるなど、いろいろなことをしました。ある土曜日、フェリービルディングで開かれているあまり評判のよくないファーマーズ・マーケットに、下は5歳から上は23歳までの総勢25人で見て回る機会がありました。私は、皆が夢中でリンゴや梨を試食したり、ハニースティックの蜂蜜を吸っているのを見て、その反応に感嘆しました。フルーツを25ドル分買ってテンダーロインに戻り (当時そこは「食の砂漠」と呼ばれていました)、新鮮なフルーツサラダを作ったところ、皆、大喜びで3杯も平らげ、また直ぐにでも行きたいと言い出したのです。この時の経験に加え、学校で供される理想には程遠いランチや、放課後に地元のお店で子どもたちがフライドポテト&コーラのセットを買っているのを目撃したことで、この時期、正しい食のあり方やその確保について、いろいろと考えさせられました。

同時に、サンフランシスコで起こりはじめていたスローフード運動にも、徐々に興味が沸いてきました。Ariと私は、友だちや家族を招いてのAlmaポップアップレストランを時々開催しながら、いつかどこかで自分たちのレストランを開業したいという夢を温めてきました。そのときから、私の中では、レストランと社会貢献活動プログラムを両立されることは、ごく自然な成り行きに思えたのです。そして2012年、私たちはAlmaをオープンしました。以来、この社会貢献プログラムは、我々の経営方針のひとつの軸であり続けています。

ハーバード大学で教育学修士を取得されましたが、最終的にレストラン経営に至った理由はなんですか?

教育学の修士課程では、人間の発達と心理学を学びましたが、私の根本には常に、私たち人間の学習プロセスや、他者や社会との関わり方に対する興味がありました。学校教育よりも、アフタースクールプログラムやインターンシップ、絵画教室、音楽教室といった、つまりは学校を離れた場での学びに興味を持っていたのです。当時は、レストランを経営することになるなんて思ってもみませんでしたが、そのチャンスが訪れた時、これは理に適っていると感じたのです。つまり、我々はレストラン経営を介して地元の学校やコミュニティと接触することができますし、社会貢献プログラムを通じて、子どもたちは食育に触れ、仲間との関係を育むことができる。それが一つの教育となるのだと考えたのです。

なぜ拠点にLAを選ばれたのでしょう?

私たち2人は、ともにサンフランシスコで3年間働き、スローフード運動にとても刺激を受けましたが、同時に、サンフランシスコでは素晴らしいコンセプトが出尽くしているとも感じていました。けれど、LAは違いました。LAは地理的にも広がりがあるだけでなく、独自のコンセプトを持ったレストランを開く余地が残っています。私たちは、LAには何か本質的な価値、私たちならでは何かを生み出す余地があると思いました。

Almaは2012年、ダウンタウンLAがいよいよ急成長してきた頃にオープンしました。食の砂漠と言われた場所が、文化のホットスポットへと変貌するのを目の当たりにしました。この1年をとっても、その変化は凄まじいものがあります。エースホテルの真向かいであることからAlmaの立地を選定しましたが、オープン当初、私たち以外には、ほとんど何もありませんでした。人の往来もなく、店の外に立っていると、厭世のように感じたこともありました。今では想像もできないくらい。先日の土曜日の夜、営業中に角のお店に氷を買いに行ったのですが、エースホテルはイベントで盛り上がり、映画館もあちこちで営業していました。まるでニューヨークのようでした。ダウンタウンLAは日を追うごとに繁栄し、活況は止まることなく成長しています。3年に渡る町の変遷に立ち会えたことは、とても貴重な経験でした。

ダウンタウンに足りていないものがあるとすれば、何でしょう? また、良い点は?

いい質問ですね。ダウンタウンLAはまだ自らのアイデンティティを決めかねています。あまりにも急成長してしまったために、自らに追いついていないのです。けれど、数年後も状況は変わらないと思います。なぜなら、ダウンタウンLAには多種多様なアイデンティティが混在していて、それこそが、ここのパーソナリティなのです。ダウンタウンの情熱的な多様性が私は好きです。足りないものがあるとすれば、本当に美味しいステーキハウスくらいかしら。

レストランの経営者で慈善活動家として、地区開発の真っ只中にいて感じることは?

自らも常に進化している、ということでしょうか。これはAriも私も、とても良いことだと考えています。いつまでも同じ場所に止まっていたくないですから。ダウンタウンとは密に、LAとはもっと全般的に、LAの文化や気風に触れ、交わっていきたいと思っています。特にレストランの世界では、流れに乗っていることが不可欠で、そのためには常に周りの出来事―みんなが聴いている音楽や絵に敏感で、歩き方や話し方にも気遣う必要があります。それは社会貢献活動にも当てはまります。学校は常に変化しており、教職員も入れ替わります。活動メンバーにとっても、私自身にとっても、どうしたら校風に合うのか、そして、どうしたら職員、先生、保護者、そして生徒のニーズに応えることができるのか、常に話し合うことが大切になのです。

レストランAlmaは、どのようにその社会貢献活動に関わっていますか? レッスン、インターンシップ、ワークプログラムなどでプロのシェフに協力してもらう予定はありますか?

生徒たちとレストランの交流は可能な限り設けたいと思っています。2週間ほど前ですが、活動メンバーのひとりとプログラムの参加者である学校の校長がひとり、そして、料理の世界にとても興味を持っている2人の生徒がやって来て、フルコースの試食を行いました。私たちにとっても彼らにとっても、とても素晴らしい経験になりました。今後は、インターンシップやプロジェクトなどでも、レストランをプログラムの実施場所にしたいと考えているところです。

Almaは主にロサンゼルスのランパート地区で活動していますが、活動範囲を広げる予定はありますか?

私たちにとって大切なのは、パートナーシップです。参加している学校の数や学校の場所ではありません。ランパートは、レストランAlmaから5マイルの範囲にある地元です。ローカルでの活動は、自ずとしっくりきますが、それ以上に成功を左右するのは、学校側の意欲です。そして私たち自身も、職員や先生方、保護者、生徒のニーズを満たす質の高いプログラムを提供できると自信を持つことです。

コミュニティや保護者、生徒、先生たちがプログラムに参加する際、直面し得る困難はありますか?

この3年間、プログラムを実施・改善するたびに多くを学びました。執心するあまり、サポートしてくれる職員がいない学校に、食用ガーデンを作ったことも一度ではありません。参加する学校側にプログラムの準備が整っていて、意欲の有無を確認することが鍵ですね。私たちは、そういった経験を積む中で、クッキングレッスンを行ったりガーデンを作る前に、相手を調べる必要性に気付きました。学校側の準備やプログラムサポートに必要なインフラが整っていれば、先生、職員、保護者、生徒に最大限の効果をもたらすことができます。もちろん、私たちにとっても、この点が最も大事なことです。

Almaの今後は?

重点的に取り組むことです。今はレストランもプログラムも熟成期間にあります。両方とも3年続き、早く成長させたい衝動に駆られますが、内に向けて重点的に取り組むことで、結果を最大化できることに気付きました。AriはシェフのBrian Maynardと共に調理スタッフを教育し、いかなるときも同じサービスを提供できるようにします。私はウェイターを手伝い、ロサンゼルスのみならずアメリカでも最高のサービスをお客様に提供します。ファーマーのCourtney Guerraさんと絶えずコミュニケーションを取り、食物の生育期について学び、翌年にどうやって活かすかについて話します。Almaでは、現在パートナーシップを結んでいる3校に集中し、十分な配慮を配ります。そうすることで、参加している皆が学び、成長し、能力を磨き、力をつけるられると信じています。

*雑誌BonAppetit、2013年。
www.alma-la.com

Interview by Sarah Ann Hartzog