TALKING FLOWERS WITH YASMINE KHATIB

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ヤスミン·カティブと花

ロサンゼルスのフローリスト、ヤスミン·カティブのフラワーアレンジメントは、まるで16世紀のオランダ静物画を彷彿させるような重厚さと物語性を内包している。意図的であり、あるいは本能的でもある両者の微妙なバランスが、彼女のクリエーションに唯一無二の魅力を生んでいるのだ。ヤスミンは、彼女の作品と同じように、静かに、落ち着いた口ぶりで話す女性だった。

フローリストとは、とても夢のある職業ですね。ここにたどり着いたいきさつを教えてください。

私は昔から花がとても好きで、花屋で働くことを夢見ていました。子どもの頃、ラグーナビーチにある、ブドウの木に覆われたとても可愛いフローリストの前をよく通っていたのですが、ある日、求人広告を見つけたのです。私はまだ15歳でしたが、どうしても働きたくて兄にお願いして頼んでもらったのですが、断られました。それから3年後、大学生になった私は別のフラワースタンドでバイトを始めました。そのときは、まさかこれが自分の生涯の仕事になるとは想像していませんでいた。バイトをするようになって、この仕事には、あまり知性は必要でないことを知りました。同時に、私は子どもの頃から浅はかな女性をたくさん見て育ちましたが、彼女たちと同じような道を辿りたくないと常々思っていました。私は言わば、こうしたものと常に戦ってきたのだと思います。私は家庭的であると同時に、あらゆる意味でフェミニストです。だから、真剣にフローリストになろうとは思っていなかったのです。私は大学を卒業したら大学院に進もうと考えていました。けれども実際のところ、フローリストという職業が、自分が思っていたような軽薄な仕事ではないと悟りました。愚かなこだわりを持っていただけなのです。

そういったことは、あなたに限らず、よくキャリアについての会話の中で聞かれる話ですよね。最終的に、あなたは大学院に行ったのですか?

いいえ、私は完全に落ちこぼれてしまったので(笑)。

作品を制作するとき、特定の花を着想源にスタートするのですか? それとも、もっと偶発的なインスピレーションに任せますか?

季節にもよりますね。ポピーは常にありますが。私はとても気まぐれな人間なので、花に限らず、一番好きなものは何かと聞かれると答えに詰まってしまうんです。でも、あえてと聞かれれば、ポピーと答えるかもしれません。本当にたくさんの品種がありますから。同じく、チューリップも数多の品種があるので好きです。八重咲きのものまであるんです!

家に花があるだけで、部屋の雰囲気を瞬時に変えることができます。けれども、現代の人々は、50年前のように花のある生活にはあまり時間をかけていないように思います。毎週お花を届けるサービスについてはどう思いますか?

ええ、実はシリアスに検討中なんです。今までは、その場でアレンジメントすることが大切だと考えていましたし、配達の過程でアレンジメントが崩れてしまうのが嫌で、花の配達には反対でした。でも今は、やってみてもいいな、と思っています。私って、本当に勝手な人間ですね(笑)。

自宅に庭はありますか?

いいえ。たくさんの草はありますが、庭はありません。フローリストという職業は、大量の水を使うので、罪悪感を感じているんです。サボテンであれば良いですが、それ以外は難しいでしょうね。

お花はどこで仕入れていますか?

なるべくカリフォルニア産のものを仕入れるように努めています。少なくとも、いくらかの環境規則と賃金法がありますから。

どんなプロジェクトが好きですか?

そうですね、撮影での仕事が多いですが、ディナーパーティーのためのアレンジメントもとても好きです。もっとメロウでしょう? 基本的には、より時間をかけることができる親密な環境での仕事の方が好きなんです。大量生産には向いていないので。私は、まったく同じアレンジメントを作ることはしません。結婚式では、都度、同じようなアレンジメントが求められますが、たとえ私以外の誰も気付かなくても、必ず毎回、構成を僅かに変えるようにしています。均一であることが好きではないんです。結婚式でのアレンジメントを積極的にやっていない理由は、そこですね(笑)。

インスピレーションはどこから得ることが多いですか? 例えば、歌や写真など……。

私は、花にアレンジメントの方向性を任せています。あるいは、例えばディナーパーティーであれば、そこに集まる人々のスタイルに合わせることもあります。完全な自由裁量の仕事であれば、空間とそこにいる人々からヒントをもらうことが多いですね。もちろん、カリフォルニアの自然から得るインスピレーションは計り知れません。

「ここはカリフォルニアより良いかもしれない」と思った場所はありますか?

いいえ、決してありません。カリフォルニア! この美しい州を訪れた人は皆、またここに戻ってきます。本当に、多様な土地なのです。ですが、私はニューメキシコも大好きです。独特の魅力に溢れています。アリゾナ州は過小評価されていますが、私は頻繁に訪れています。政治は芳しくなくても、素晴らしい風景があります。そう、まるで火星にいるみたいなんです! 以前、モハーベから東に1時間ほどの場所へ行ったのですが、本当に火星のようでした。そこにいると、自分がいかに物事を複雑化しているのか、痛感させられました。そこは、とてもシンプルでクリーン、そして、途方もなく美しい場所でした。フラワーアレンジメントは、往々にしてやりすぎてしまうことがありますが、そこに行くと、インスピレーションを得て、初心に戻れるのです。

あなたは都市に住みながら自然や樹木に関わる仕事をすることに、何か違和感を感じたことはありますか?

田舎暮らしに常々憧れていますが、きっと、退屈してしまうと思います。都会での生活にはうんざりすることも多々ありますが、多くのことにアクセスできる利点もあります。私は本当にLAを愛していますし、今後、それは変わるどころか、より好きになっていくんだろうと思います。

www.yasminefloraldesign.com

インタビュー サラ・アン・Hartzog
写真 ラニ・トロック